会社のホームページ、自分で運用してみたら「見えない落とし穴」だらけだった話

会社のホームページを運用する女性に、AIロボットが画面の小さな注意点を指さして教えている水彩イラスト AI活用

非エンジニアの私が、AI(Claude Code)と一緒に、会社のホームページを運用している話です。以前、AIと会社のホームページを作ってみた話を書きましたが、今回はその続き——作ったあとに待っていた「運用の落とし穴」編です。

制作会社に丸投げしない、という選択

うちの会社の不動産事業部では、コーポレートサイトを自分たちで運用しています。制作会社に丸ごと任せるのではなく、AIに相談しながら、物件情報の更新や文章の手直し、公開前のチェックを自分でやる、という体制です。もちろん私はエンジニアではありません。HTMLもCSSも、正直よく分かっていません。それでも「自分たちの手で育てられるサイトにしたい」という思いで、少しずつ触っています。

先日、なにげなく口にした「掲載している物件、法律的に大丈夫かな?」という一言から始めた点検作業が、思いがけず、たくさんの「見落としがちな落とし穴」を掘り当てることになりました。ひとつ直すたびに、別の問題が顔を出す。まるで大掃除をしていたら、家じゅうのあちこちから片づけるべきものが出てきた、そんな一日でした。

同じように「自分でサイトを触ってみたい」という方の役に立てばと思い、その日の記録を残しておきます。専門用語はできるだけ避けて書きます。

ホームページを大掃除する女性と、あちこちの扉や穴からのぞく“落とし穴”を表す小さな生きものたちの水彩イラスト

その1. 「この物件広告、違法じゃない?」から始まった

不動産広告のルール——宅地建物取引業法、景品表示法、不動産の公正競争規約——は、以前に勉強したことがあって、知識としては一通り知っているつもりでした。でも、いざ「自分たちのサイトに実際に載せる」となると、話は別。『この書き方で本当に合っているか』が急に不安になって、本やネットで何度も確認し直しました。知っていることと、正しく載せることのあいだには、思っていた以上に距離があったんです。実際、AIに全ページを点検してもらうと、直したほうがいい箇所がいくつも見つかり、そのたびにヒヤッとしました。

まず注意すべきは「徒歩◯分」の書き方です。感覚で「駅から近いから徒歩5分くらいかな」と書いてはいけないんですね。道のり80メートル=1分という決まりがあって、信号待ちや坂道は加味しない。うちの物件も、実際の距離をもとに徒歩1分・5分・12分ときちんと見直しました。「徒歩1分」と書くなら、駅の出口から80メートル以内でないといけない。かなり厳密です。

次が賃料の「税込」表記。店舗や事務所として貸す物件(事業用といいます)の賃料には消費税がかかります。だから金額の横に「(税込)」と書かないと、実際より安く見せている=「有利誤認」と取られかねない。数字を確かめたら、うちの賃料はもともと税込の額だったので、金額はそのままに「(税込)」と明記しました。

そしていちばん冷やっとしたのが面積。ある区画を「約100㎡」とAIが隣の物件からコピーして書いていたのですが、実測してみたら89.57㎡。大体同じくらいの面積と思ってはいたけど、1割近く広く見せてしまっていたんです。悪気はなくても、これは「誇大広告」に当たりかねない。正確な数字に直しました。マンションのほうも、面積が「壁芯(かべしん)」なのか「内法(うちのり)」なのか、その区別を書くのがルールで追記しました。

細かい、と思われるかもしれません。でも、ルールを知っているつもりでも、実際の掲載では抜け漏れが起きる。ルールを学んで知っているつもりの私でも、何度もヒヤッとしたのですから、載せる前のダブルチェックは本当に欠かせない——そう痛感しました。AIが第三者の目で全ページを点検してくれたのは、想像以上に心強かったです。

その2. 成約したら「すぐ取り下げる」——おとり広告の話

作業の途中で、募集していた月極駐車場が契約済みになりました。うれしい報告なのですが、ここにも落とし穴があります。

成約した物件を「募集中」のまま載せておくと、「おとり広告」になってしまうんです。もう貸せない物件で、お客さんを呼び込むことになる。これは景品表示法・公正競争規約で禁じられています。

そこで、サイトの募集カードを取り下げ、「所有物件(貸出中)」のほうへ移し、社内の管理台帳も同時に更新しました。さらに、物件情報を登録している業界システムでも、募集を止める処理が必要でした。このシステムの「成約」というボタンが見当たらない。AIと画面を見ながら探した結果、「非公開」にして状態を「使用中」に変える、という形で対応しました。加えて、外部のポータルサイトへの掲載申込が残っていることも判明。うっかりすると、そこだけ公開され続けてしまう。最終的には、業界団体の窓口に電話して確認するのが確実、という結論になりました。

「一か所直せば終わり」ではなく、載せた場所すべてを落とす。これも自分で運用するからこそ身につく感覚でした。


「いい勉強になった~」と一通りチェックが済んだところで、ノートPCの画面を二画面から全画面表示に切り替えると、業界システムの「成約」ボタンが出てきました。。。不覚でした。単に画面表示の問題でがっくり。しかし「より勉強になった~」と思い直し前向きに。

その3-a. いちばんヒヤッとした——「載せていない」写真が“丸見え”だった

今回いちばんの発見は、これです。

サイトを作る過程で、スタッフの顔写真や、まだ加工していないスマホ撮影の写真を、作業用にサーバーの画像フォルダへまとめてアップしていました。「サイトには表示していないから大丈夫」と思い込んでいたんです。

ところがAIが、こう指摘してきました。

そのファイル、住所(URL)を直接打てば、ブラウザで開けてしまいますよ。

まさか、と思って試すと——スタッフの顔写真が、普通に開けてしまった。しかもファイル名が名前そのもの。背筋が寒くなりました。

どういうことか、かみくだくとこうです。サーバーは、写真の「住所」を打ち込めば、その中身をそのまま表示するしくみになっています。たとえば 会社サイト.com/images/tanaka.jpg のような住所を知ってさえいれば、ページのどこにもリンクが無くても、ブラウザで直接その写真を開けてしまう。うちの場合、ファイル名がスタッフの名前そのものだったので、住所を推測されやすい状態でもありました。

「サイトに載せていない」と「公開していない」は、まったく別のことなんです。フォルダに置いただけの状態は、たとえるなら“扉はあるのに、鍵がかかっていない部屋”。表からの通り道(リンク)が無いだけで、住所を知っている人——そして検索エンジン——には、中が見えてしまう。「人目につかないから大丈夫」は通用しないんだ、と痛感しました。

対処として、内部用の写真フォルダ(6つ)とばら置きのファイル(3つ)を、サーバーから削除しました。AIが「消すべきものだけ消えて、サイトで使う写真はちゃんと残っているか」を一つずつ確認してくれて、削除したものは全部「開けない(見つからない)」、サイトで使う写真は「生きている」状態を確かめられました。この“最後の確認”があると、本当に安心できます。

「サイトに載せていない」と札のついた写真フォルダの鍵が開いていて、中の写真が見えてしまっている様子をAIロボットが指さして教えている水彩イラスト

その3-b. 写真は“個人情報の宝庫”——掲載前のぼかしチェック

未加工のスマホ写真には、車のナンバーが写り込んでいる可能性もありました。物件写真は、車のナンバー・近隣の看板・電話番号・表札・人の顔など、うっかり個人情報が写り込む宝庫です。実際、マンションのロビー写真にも、窓ガラス越しに駐車中の車が写っていて、その部分だけAIにぼかしてもらいました。掲載前の「ぼかしチェック」は、毎回のクセにすると決めました。

その4. スマホで見たら、まるで別物だった

パソコンではきれいに整って見えるのに、スマホで開くと印象がガラッと変わります。まず「縦に長すぎて、いちばん下のお問い合わせまでたどり着くのに時間がかかる」。さらに、スタッフの顔写真が画面いっぱいに“ドーン”と表示されて、ちょっと圧が強い。

そこで2つ手を入れました。ひとつは、「タップで開く折りたたみ」。「所有物件の紹介」「ローンの支払い計算」「地図」といった、必ずしも全員が見なくてもいい部分を、普段は1行に畳んでおいて、見たい人だけ開ける形にしました。これだけで、スマホでのスクロール量がぐっと短くなりました。中身は消していないので、必要な人はちゃんと見られる。

もうひとつが、スタッフ写真を「2列」に。それまでスマホでは1列で、写真が画面の幅いっぱいに表示されていました。それを2列にしたことで、写真が半分以下になり、ちょうどいい大きさに。顔の“圧”が消えて、ページも短くなりました。

パソコンとスマホは別物。作ったら必ずスマホでも確認する。これは何度でも自分に言い聞かせたい教訓です。

その5. 「アップしたのに変わらない!」の正体はキャッシュ

今回いちばん振り回されたのが、これです。サーバーにファイルを上げたのに、スマホで見ると古いまま。「アップに失敗した?」「やり方を間違えた?」と何度も焦りました。でも正体は、たいてい“キャッシュ”でした。

ブラウザは、表示を速くするために、前に見たときのデザインを一時的に覚えているんです。だから、サーバー側はちゃんと新しくなっているのに、自分の画面だけ古いものが表示され続ける。確認するときのコツは、

  • パソコン:Ctrl+F5(強制的に読み込み直す)
  • スマホ:シークレット(プライベート)タブで開く

シークレットタブは「初めてサイトに来た人」と同じ状態なので、キャッシュを無視して“本当の今の姿”が見られます。実際、スマホの通常タブでは古いままだったのに、シークレットタブで開いたら、ちゃんと直っていました。「サイトは直っている。自分の画面が古いだけ」というパターンが、本当に多い。これを知っているだけで、無駄に焦らずに済みます。

その6. ファイルのアップロードの小さなつまずき

ファイルをサーバーに上げる専用ソフトでも、「アップロードできませんでした」というエラーが出ました。原因を探るうちに、パソコンのバックアップ設定がサインアウトしていたことが分かったり……。結局その失敗は、ネットの一瞬の途切れが原因で、もう一度アップし直したら、あっさり通りました

もうひとつ、勘違いもありました。ソフトの左側(自分のパソコン)と右側(サーバー)で、実は別々の場所を見ていたんです。同じ「index.html」という名前でも、置いてある場所が違えば中身は別物。見分け方はファイルの大きさ。本物のトップページは66KB、フォームの部品は7KB、というふうに、サイズで判断できると教わりました。

一日を終えて——非エンジニアが得た7つの教訓

  1. (その1)不動産広告には基礎ルールがある。
     徒歩分数・税込・面積は「正確に」。感覚で書かない。
  2. (その2)成約したら、載せた場所すべてをすぐ取り下げる。
     1か所直して終わりにしない。載せ続けると「おとり広告」に。
  3. (その3-a)「サイトに載せていない」と「公開していない」は違う。
     サーバーに置いた時点で、URLを知る人には見られる。
  4. (その3-b)写真は個人情報の宝庫。
     車のナンバー・表札・顔。掲載前に必ずぼかしチェック。
  5. (その4)パソコンとスマホは別物。
     作ったら必ず両方で確認。特に写真の大きさとページの長さ。
  6. (その5)「変わらない!」の多くはキャッシュ。
     Ctrl+F5、スマホはシークレットタブで“本当の姿”を確認。
  7. (その6)アップロードのつまずきは、まず落ち着いてもう一度。
     左右で“別の場所”を見ていないか、ファイルの大きさで確かめる。

専門家に任せればラクなのは間違いありません。でも、自分の手で触るからこそ、こういう肌感覚が身につきます。そして何より、隣にAIがいて「それ、危ないですよ」と先に指摘してくれるのが、本当に心強い。今日も、大きなミスを未然に防げました。

自分たちのサイトを、自分たちで育てていく。手はかかるけれど、その手間のぶんだけ、サイトへの愛着も、守るべきものへの意識も育っていく気がします。

まとめ:知っていることと、正しく載せることは違う

今回いちばん実感したのは、「ルールを知っている」ことと「実際に正しく載せる」ことは、まったく別の作業だということでした。勉強して頭に入っているつもりの決まりでも、いざ自社サイトに載せるとなると、一つひとつ本やネットで確かめ直し、そのたびに「抜けはないか」とヒヤッとしました。運用は、知識だけでなく“確認の手間”を惜しまないことが大事なんだと、あらためて思います。

そして、その確認をひとりで抱え込まずにすんだのは、隣にAIがいて「それ、危ないですよ」と先に教えてくれたから。作るのも、育てるのも、AIという相棒がいると、ぐっと心強くなります。

👉 前編もどうぞ:専門知識ゼロの私が、AIと会社のホームページを作ってみた話(このサイトを“作った”ときの記録です。今回の運用編は、その続きの物語でした)

ノートパソコンから育つ庭(ホームページ)に水やりをする女性と、そばで見守るAIロボットのあたたかい水彩イラスト

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